2011.3.20散歩2011-03-20(Sun)

震災から9日目。相変わらずガソリン補給がままならない。
気温も上がり、春めいた一日。せっかくの休日ではあるが、車で外出どころではない。
ということで娘と二人で散歩に出かけた。

家からはゆっくりと歩いても30分あれば中心街へ着く。
自分が学生の頃は、歩いて街に行くのはごく普通のことだった。
車通りの多い大通りは通らずに、住宅地の中の小道をあっちに曲がりこっちに曲がりして、のんびりと歩く。
八戸高校の日当たりの良い土手の斜面には福寿草がたくさん咲いていた。
サラブレッドを飼っている牧草地は枯葉の暗い茶褐色ではもう無く、明るいベージュ色に変わっている。
小学校の頃、通学で毎日通った道はそのままだが、景色は結構変わってしまった。
下校途中に腹が痛くなって仕方なく垣根の影で済ませた場所もいまや、流行の住宅が建っている。
今は住宅になっている当時大きな柿の木がある庭があった。渋柿の実と知りながらも、落ちている柿を恐る恐る口に入れたものだ。溶けてぶよぶよになっているところは甘くなっているけれど、美味そうに見えるしっかりした実にチャレンジすると口いっぱいに強烈な渋さに襲われ、唾と一緒に吐き出す羽目になる。一度経験しても何故だか落ちている渋柿を見つけるとついつい同じ事を繰り返してしまう。
だからといって誰を責めるわけでもなく、そんな失敗も楽しみの一つだったのかもしれない。
「ここの笹薮にはこんなでっかい毛虫が着いてたんだよ」とか、そんな話を娘に聞かせながら昔を懐かしみながらただただ歩く。

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娘が「オオイヌノフグリ」と言って駆け寄った先には、小指の爪ほどの大きさのブルーの花の群れがあった。

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八戸の街中にはこのようなコメントがあちらこちらに貼ってある。
「ここの元支店長はキックボクシングをやってたらしいよ」とかどうでもいいことだけど、へ~って思うようなコメントが至る所に貼ってある。

そもそも娘が学校で使う筆入れを買うのが目的だったので、チーノに入る。
女の子が好きそうな小物を扱っているお店は、いつの時代も同じような感じ。
知ってるキャラクターが目に付くとついつい足を止めて、娘そっちのけで物色してしまう。
ウサビッチは一昨年?我が家でブレイクし、DVDを何度も見て家族全員で大笑いした。
キャラクターグッズも我が家にたくさんあるが、割引をしているところをみるとさすがに最近は下火になったようだ。

ムーミンのグッズがあるのには驚く。
ムーミンといえば自分が小学校の頃テレビでやっていたと思うが、可笑しい内容ではなかったのでストーリーは記憶があまり無い。道徳的なイメージで、どちらかといえば暗い印象が残っている。
スナフキンは釣りをしたらしい事にはじめて気がついた。何故ならスナフキンのイラストが書かれた筆入れには立てかけられたリール付の釣竿が置かれていた。しかもスナフキンはパイプを咥えている。
誰かに似てるな・・、ちょっと好感を持ってしまった。

何故娘がムーミンを知っているのか尋ねてみた。
本でムーミンを読んだらしく、内容をほとんど理解していない自分よりも詳しいので驚きだ。
件のスナフキンの絵の着いた筆入れとシャープペンシルと、スナフキンの小さな人形のストラップをお揃いで二つ、買った。

その後は街中を散策することにした。
震災の影響で歩いている人影は少ない。
しかし普段でも活気のある商店街とは言えないのが現状だ。
自家用車が普及した事で郊外型ショッピングセンターが市街地へ何店舗も出来た。
その影響が大きいのだろう。中心街の活気はいまや過去のもの。
自分が学生の頃にMorrisのギターを買いに行った楽器店の文明堂や、Levi's 501を買ったロックウエストも無くなってしまった。寂しいことだけど時代の移り変わりだから仕方の無いことか。昔を懐かしむのは何時の時代でもあることだから。

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メインストリートには八戸の祭を象徴する銅像がところどころに備え付けられている。

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これは虎舞の銅像。

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何処を見るというあても無かったが、市中心街の活性化を目的に立てられた、八戸ポータルミュージアム「はっち」へ入ってみることにした。

今年2月に開館したばかり。
正直、「はっち」にはまったく関心が無かった。
市民の声も、何のための施設なのか判らないという声が非常に多い。自分もそう思っていた。
十和田市には「十和田現代美術館」があり、何度か訪れているが素晴らしい美術館と感心する。
三沢市にも「三沢航空科学館」があり、こちらも楽しい施設で何度も訪れている。

それと比較してしまうと、コンセプトが何なのかハッキリしていないのが「はっち」だった。
「まちづくり・文化芸術・観光・ものづくり・子育てを軸とした活動をサポートする多様な施設」という実に曖昧なものだ。
しかし中を見たことがないので、いたずらに批判するのもおかしな話だ。
 
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今日は時間もあるので初はっち体験をするのにちょうど良い。

5階建ての建物だが、節電の為エレベーターとエスカレーターは休止。照明も抑えているようだ。
催事を開いているのは1階から4階まで。
八戸の人々を撮影した写真展が4箇所で開催されていた。3人ほどの市外のカメラマンが八戸を訪ねて、出会った人々を撮ったもののよう。
被写体の表情がなかなか味わい深く、じっくりと拝見しました。

八戸の産業を紹介するコーナーがあったり、八戸の芸術家や偉人の紹介があったりと、今まで知らなかったハチノヘを垣間見ることが出来た。
中でも「吉田初三郎」の鳥瞰図はじめ絵画には驚かされた。
北斎の絵に似たタッチの絵に驚愕した。鳥瞰図の構図に目が釘付けになった。舞妓の絵の艶やかさに目を奪われた。こんな凄い人が八戸を書いていたなんてね。嬉しく思う。

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国宝に指定された「合唱土偶」のレプリカ。
このレプリカを間近に見ながら太古の思いにふける事が出来るコーナーもある。
縄文文化は自分が小学生の頃は、弥生時代と比較され、どちらかというと原始人に近い扱いだった。
八戸は縄文遺跡が多数発見されているが、当時は文化の低い縄文人に誇りを感じることが出来なかった。
しかし近年は、縄文人の生活がかなり進んでいた事が判って来た。
この合唱土偶もそうだが、芸術性が無ければ作ることは不可能だろう。
宇宙人にも似ている遮光器土偶も縄文時代のものだ。
弥生人よりも芸術センスがあるのではないだろうかと思える。

1時間以上居ただろうか、4階まで巡り終えてはっちを後にした。
入館料は無料なので、それを考えれば十分に見ごたえがあり、娘と二人満足することが出来た。

帰りはフクロウの目撃情報がある広大な庭を覗き見したりしながら歩く。

途中スーパーに立ち寄り、コーラと少しの食料を買って、準備してきた25Lザックに詰め込んだ。
あと10分ほどで家に着く。のんびりと歩きながら娘と同じ頃に自分がどうだったかを思い出した。

自分が小学6年生だった頃には、学区内に「ひろ川」というケーキ屋があった。
店には小さいテーブルがふたつみっつ、あり、そこでケーキを食べながらサービス(だったような?)のコーヒーを飲むことが出来た。
クラスの女子達に話題になっていて、女の子達がよく集まっていた。
マッシュポテトが美味いとか、あれが美味いとか教えたくれた。ちょうどその年代の女子にとってケーキ(ケーキ屋)は少し大人びた感じがあったのだろう。今流行りのこんなケーキを知ってるんだよとか、味が判るといった感じで得意げにはしゃいでいた。
自分はケーキが美味いとかはそれほど興味があるわけでもなく、それよりも気になる女子が行っていたものだから会えるのを期待して自分も男友達を誘って行った。
下校後に狙っていくもんだから当然会えるのだが、ワザとらしく偶然を装ったりしたもんだ。
そんな事などを、少し照れくさかったけれど自分の娘に話をした。
すると昨年失恋したけど、修学旅行で吹っ切れたとかいった話をしてくれた。
誰が好きでどうなったとか駄目だったとかは聞いていたから特段驚きはしなかったけど、少しずつ成長しているんだな~とあらためて感じた。そんな話を聞かされるとやはりちょっと切なくなる。
そんな話をしながら娘との4時間デートが終わった。
車が無かったから出来たことかもしれない。

昭和50年頃は、車は一家に1台。
基本的に通勤通学はバスや自転車や徒歩。
今のように便利な時代ではなかった。
帰宅途中にあるお店からは焼き鳥を焼く良い匂いが漂ってきたり、手作りコロッケを揚げる総菜屋さんがあって、立ち食いしたりした。
おかずを買いに行くにも、ちょっとしたものなら近所の商店で賄う事も多かった。
夜遅くまで開いている店は皆無で、正月も初売りは3日か4日からだった。
今のように24時間営業すればそれだけ売り上げは上がるだろう。
たくさん利益を得るために効率を求め機械に頼る。
予約機能が当たり前の電化製品。
原発に頼らないと賄う事が出来ない電力事情はここにあるんじゃないだろうか。

昭和の時代は不自由を感じなかった。それで当たり前だから。
自転車やバイク、電車でも釣りに行った。
電車で行くと時間に追われた釣りになるが、それもまた仕方の無いことだから不便だとも思わなかった。
彼女と電話をするにも、深夜に家を抜け出して近所の公衆電話に行ったり。
連絡の打ち合わせに紙切れに書いた手紙をそっと渡したり。誰かに見られないようにいつどこで渡そうかとか考えるのも楽しかったり、スリルがあったり。

昭和の時代でも十分楽しかった。ひょっとしたら今よりも楽しく、充実していたかもしれない。

今、震災でいろいろな物が不足している。控えられるものは控え、無駄に消費しない生活を強いられている日本。
やれば出来るというか、やるしかない状況。
先が見えないのは不安かもしれないが、希望はある。


不便なほうが楽しいってもんだ。
フライフィッシングもそう。簡単に出来たらすぐに飽きちゃう。
難しいから楽しいの。
何事も、楽天的に、ポジティブに、前向きに行こう!

明日は秋田解禁だ。たぶん行けない。
でもいいさ。行きたいときに行った方が楽しいから。

Comments(8) | Trackback(0) | 徒然

Comment

Re: タイトルなし

電話屋さん、どもどもおぉ!
チームライフラインの方々は大忙しだったことでしょうね。少しは余裕が出来ましたか。

> 仕事柄通信の輻輳が起きているの分かっておりましたので連絡頂いたときは安心しました。
輻輳←恥ずかしながら読めません(汗)意味はなんとなく判りますが・・

昔の黒電話なら電気が無くても通話出来たのに、不便?な世の中になりました(笑
アナログ世代はみんなそう思うのではないだろか。

映画「三丁目の夕日」を見て昔に帰りたいと思った。
クレヨンしんちゃんの映画でも昭和の頃に戻そうとする悪の組織と戦う野原家の物語もあった。

昭和に育った世代は昭和が好きなんじゃないだろうか。

デジタル世代の若者は着いていけないだろね。

2011-03-22 23:02 | URL | 竿八 [ 編集]

ども、おひさしぶりです。

自分も車を持つようになるまでは通りすぎることなく町の細部が目に止まったものでした。なーんて思いましたよ。あそこにはアレ、ここの小路にはにはソレ、学校の帰りには大判焼き屋と鰻屋さんが隣り合ってたっけな、なーんて。


仕事柄通信の輻輳が起きているの分かっておりましたので連絡頂いたときは安心しました。

2011-03-22 22:41 | URL | 電話屋 [ 編集]

イシシさん、まいどです。

自転車通勤になりましたか。
家の嫁さんも自転車買いました。
会社の人たちも自転車通勤に変えた人が何人も居ます。
自分は自家用車を会社借り上げで使っているので、贅沢にもマイカー通勤です。なんだか心苦しいです。
でもヒーター着けない、スピード控えめ、易しい運転です。
営業車なので、ガソリンを詰めれる時に詰めておかないとならないので、ガソリンスタンドには月曜の朝3時前から並びました。
もちろんエンジンストップです。
厚着をしていったけれど半端じゃないほど寒かったです。
でも被災地で物資が足りない人たちのことを思えば我慢できました。

もうすぐ4月というのに雪模様です。
この状況で寒いってのは辛いですね。
風引かぬようにね。

2011-03-22 18:57 | URL | 竿八 [ 編集]

もともとサイクリングは好きだったので
震災後すぐに自転車や徒歩での通勤に切り替えました。

ゆったりとしたスピードで流れ去る景色や
冷たい空気が目新しく感じ、新鮮な気分になれました。

給油をするためにムダに何時間も使うより
その時間を家族や大切な人と過ごすことに使うほうが
大事に思えるこのごろです。

2011-03-22 09:46 | URL | イシシ [ 編集]

のしろさん、ようこそ!

お彼岸に家族4人でサイクリングですか。陽気もよかったし良い思い出ですね。

震災に関係なく、自分も家族でサイクリングとかしたいなー
とか考えたことはありますが、なかなか実行に移せません。

自分も普段通っている道なのに、車のガラス越しの風景とは違って見えました。
時間に追われ、せかせかした現代の生活から脱却したスローライフがしたいですね。

こちらは震災のおかげで釣り中毒が治りそうです(笑

2011-03-21 18:08 | URL | 竿八 [ 編集]

青森のくどうさん、どおも!

お褒め頂き恥ずかしいです(汗

思い返せば、楽しかった事、辛かった事、嬉しかった事、嫌だった事、etc.いろんな想い出がありましたね~。

昔が良かったと思うってことはジジイになった証拠か(笑

釣りキチ三平やサーキットの狼を漫画で見て、ヤマメや岩魚に憧れ、大人になったらランボルギーニミウラを買うぞとか思ったり、夢がありました。

その所為か未だに、どうでもいいような夢や憧れを抱いています(笑

2011-03-21 17:35 | URL | 竿八 [ 編集]

我が家は今日お墓参り。
普段なら車が当たり前のところですが
4人でサイクリングよろしく・・・

いつもの景色が違って見えます。
この震災で日本のアチコチで苦しんでいる人がいるけれど
何かを考え直す機会なのかもしれません。

釣りは行きたくなった時に
どうしようもなく行きたくなった時に
とっておきます!

2011-03-21 17:16 | URL | のしろ [ 編集]

私も若いころ、車を持っていなかった時期はバイクで釣りに行ってました。

夜中に彼女と電話、みんなそうでしたね。

ショッピングは電車で八戸に行き、歩いてそこらじゅう散策。


なんだかとても懐かしく、何も無い時代のほうが思い出は深く刻まれているのだなと思ってます。

素敵な日記です、ありがとうございます。

2011-03-21 13:50 | URL | 青森のくどう [ 編集]

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