師匠との出会い(壱)2008-04-01(Tue)

ボクにフライを教えてくれた方はたくさん居る。皆それぞれに上手なのだが、ボクの現在の釣りスタイルを手ほどきしてくれた方こそ師匠と呼ぶに相応しいであろう。
実は師匠と仰いでいる方は二人いる。
最初の師匠は鷹屋敷富士夫氏である。

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鷹屋敷氏の37cmヤマメ
行きつけのイーストウッドはプロショップSAWADAのリーディングショップなので、サワダの商品が豊富で、お客さんもサワダの商品を使う方が多かった。
当時マインドアングラーという、サワダで出版している本が発売されていた。各地のベテランアングラーの釣った大物の写真がたくさん載っており、また、どうやって釣るか語られていたりと興味ある内容であった。
その中には地元八戸のフライマン2名も紙面に登場していた。鷹屋敷富士夫氏と玉川修一氏である。
イーストウッドに入り浸っていると、玉川氏に度々お目に掛かることがあった。
親切な方で、ボクの質問にも親切にアドバイスいただくことが出来た。
しかし鷹屋敷氏にはなかなかお会いする機会はなかった。
マインドアングラー誌のおかげですっかりとサワダ系の釣りに洗脳されてしまったボクは、ウエットフライはもちろんだが、ドライフライも10番や12番と言ったスピナーなどのスタンダードパターンを巻き始めた。
ARマキシマでキャスティング練習も毎日のようにしたおかげもあり、なんとかダブルホールも形になってきた。
フライを始めた翌年の夏に、イーストウッドで鷹屋敷氏と出会うことが出来た。
図々しいボクは、自分も同じような釣り方を目指しているので、是非一度釣りをご一緒させて欲しいとお願いした。
その年のお盆明けにその願いが実現した。

出発前の早朝に我が家に寄っていただいたのだが、その時にフライタイイングも指導していただくことになった。
スピナーパターンとセッジパターンを、共に10番のフックにタイイングしてくれた。
小1時間ほどの短い時間ではあったが、マテリアルの選び方からタイイング時のコツなどを教えていただけた。
この時のフライは今も大事に取ってある。

訪れた渓は初めての渓流であった。初めての渓はドキドキするが、それにもまして本に載っているベテランフライマンの釣りを見られる期待感に胸が一杯だった。
ボクは自分が竿を出さずとも良いことを告げたが、一緒に釣りをしましょうと言うことで、ボクもとりあえず竿を携えた。

鷹屋敷氏に先に釣ってもらうことにした。
竿を一振りしたときに全てが違うことが判った。

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沢田さんの著書「達人の世界」の序文に詩が書かれているが、まさにその詩を彷彿とさせる光景が広がった。これが達人というものなのだろう。大袈裟ではなく、鳥肌が立つほど衝撃的だった。
サイドキャストやバックハンドキャストで木々をかわし、軽々と離れた場所へフライを投じる。
見とれていると、ポイント毎に交代しましょうと言う事で「次は鳴海さんどうぞと」勧められる。
緊張感もあるのだろうが、鷹屋敷氏のように離れた場所から狙おうとするとまったく投げられないのだ。
近づこうとすると魚に気づかれるのでダメだしされてしまう。しかもポイントを狙っても思った通りの場所へフライを落とせないので何度も何度も投げなおしてしまう。
出来ないので「どうぞやってみてください」と言うと、一投で一番良いポイントへプレゼンテーションを決めてしまう。ナチュラルドリフトしてくるフライに反応がなければ「はい次」と言うことで、移動し始める。
なんと見極めが早いのだろう。
しかも良いポイントを重点的に狙っているようで、浅い瀬などでもボクならフライを流すポイントは省いている。何故狙わないのかとお話を伺うと、このポイントには「小さいのしか入っていないでしょ」という。
狙うポイントを的確に判断し、大物を狙うために無駄のない釣りをしているようだった。
見ているだけで充実した時間が流れていく。ボクは後ろから攻め方を見て、彼が移動した後に同じ場所に立って同じように狙ってみるのだが、まったくフライを届けることができないのであった。
先程とは違い、見られているわけではないので緊張もしていないはずだ。広場での練習では普通に投げられる距離であるにもかかわらず、何故かプレゼンテーションが出来ないのだ。
縦に振れば投げられるであろう距離だが、ナチュラルドリフトさせるための立ち位置からだと縦に振ることは困難なのだ。必然的にサイドキャストやバックハンドキャストとを迫られるのだが、まったくもって投げられない。
ひとしきり納得行くまで練習してから鷹屋敷氏を追いかける。
行けども行けども追いつかない。心配になる頃ようやく追いつくのだが、そこでポイントを交代する。待たせるのは悪いのでお先に行ってもらい、ボクが一つのポイントを攻めきる間に彼は幾つものポイントを釣ってしまう。だから追いつくのにやっとなのだ。
この日は3km程を6時間程掛けて釣ったのだが、いつもなら3時間で釣り上がるという。
ボク一人なら丸一日コースだ。とにかく釣りのスピードが速い。
あっという間の一日だった。
見るもの聞くこと全てにおいて、想像を絶する釣りであった。
フライを置く場所はもちろん、ナチュラルドリフトさせるための立ち位置、ラインの置き場所などがとても重要なことが理解できた。
自分がこれから何を目指すべきかがハッキリとした事はとても大きな収穫であった。

この出会いがきっかけで、ますますドライフライの釣りにはまることとなった。
おかげでこの年の9月、鷹屋敷氏との釣行時にフライで初めての尺ヤマメを釣ることが出来た。

鷹屋敷氏と釣行を重ねることが出来たおかげもあり、自分の釣りスタイルは明らかに変わり、釣るスピードも以前より速くなった。
淵は魚が居ることは確実だが魚に釣り人の気配を感じ取られやすく、易々とは釣れないポイントであったため、どちらかというと敬遠していたポイントであった。
しかしキャスティングが出来るようになってくると、離れた場所から流れ込みの一等地に居る魚を狙うことがとても楽しくなってくる。
師匠とは比べものにならないけれど、似たような感じで釣りをするようになっていた。
だが実釣の技術はちょっとやそっとでは身に付くものではない。
数多く釣りに行き、たくさんのポイントを釣ることによって上達するのである。
ボクの場合はほぼ毎週土日は川に立っていた。それだけでなく、平日も時間があれば常に頭の中でポイント攻略法をイメージし続けていた。まさにマインドアングラーである。心の中で釣りをしているのであった。
一投目に一番良いコースをナチュラルドリフトさせられるかどうかが勝負の分かれ目である。
成功か失敗かドライフライの流れ方を見ていると自分で判るのだから、満足行くプレゼンテーションが出来たときなどは嬉しかった。

鷹屋敷氏はとにかく釣りが好きな人である。釣りに取り組む姿勢も学ぶべき事が多かった。
彼の話は妙に説得力があるのだが、いろんな経験をしてきているのであろう。
彼のおかげで竿の本数も増えたし、いろいろなマテリアルを買ってフライを巻くようになった。
本流のダブルハンドの釣りも屋敷氏の強い勧めもあり手を染めることとなった。
サクラマス釣りに関してもタイイングから釣り方、ポイントの読み方や流し方などとても多くのことを学ばせていただいた。
他にも魚の写真の撮り方なども影響を受けたおかげで、一眼レフを持ち歩いて釣りをするようになった。

鷹屋敷氏と出会って最初のうちは、渓流を一緒に歩いてもどうしても置いて行かれる状態であったが、数年経った頃にはなんとか足手まといにならない程度に釣りができるようになっていた。

その頃から、鷹屋敷氏の師匠格である池田浩悦氏の釣りも一度拝見してみたいと思うようになった。

続く

Comments(5) | ボクのFF事始め

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2008-11-13 10:55 | | [ 編集]

mimixさん、お久しぶりです!

気が着いたら青森解禁してましたね。
3月は目一杯仕事が忙しくて解禁のこと全く気になりませんでした。
解禁日は強風&低気温で釣りもままならない状況だったみたいです。

閉井川ではサクラマスも釣れ始めたようです。
本流も気になりますね。
でも渓流のアップストリームウエットも面白いし、どっちもやりたくなります。

2008-04-03 19:09 | URL | ナルミゴウ [ 編集]

おはようございます。

そちらの県も解禁となりましたね。

4月は出会いの時期。人との出会いは、人生を豊かにしてくれます。
なかでも師との出会いはフライの世界に限らず、大事なものでしょう。
自分も師匠、師範との出会いがなければ、どんなフライフイッシングをしていたか…。

2008-04-03 08:18 | URL | mimix [ 編集]

Mr.マインドアングラーtamaさん、どーもです!

ボクがイッてるのは頭です(爆
そんなイカレタ脳みそで、なんだかんだと思ったままを書いてます。
あくまでも自分の記録なんで残しておこうかと・・

2008-04-02 20:07 | URL | ナルミゴウ [ 編集]

こんばんは

記事読んで少しビックリしました(笑)

自分も富士夫さんのスピードには全くついていけませんでしたよ(;゜д゜)
しかも一緒に釣行すると、富士夫さんは必ず尺上を釣ってみせてくれました。


鳴海さんはもう達人の域イッてると思いますよ!!

2008-04-02 19:22 | URL | tama [ 編集]

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