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遠州水窪の鉈2007-10-24(Wed)

鉈の必要性を感じたのはナガサを買う前のことであった。

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東京で生活をしてすぐに高野さんの薦めにより、渓流釣りの会である山彦渓流会に入った。
この会のメンバーはベテラン揃いで数々の大物をたくさん釣り上げている、強者揃いばかりであった。
例会や釣行時の車中で先輩達方から聞く武勇伝は、若かったボクや高野さんの釣欲をそそる話ばかりであった。なかでも静岡の大井川水系の釣り場の話を聞くと、いてもたってもいられなくなった。
自分たちも行きたいと言っても、先輩達は危険だからやめろと言うばかりだった。
若い僕たちはますます火が付いて、東作のお客さんで車を持っている桜田さんという方を誘い三人で大井川支流寸又川逆河内へチャレンジした。
知らないと言うのは恐ろしいもので、山中一泊の予定であるがテントもシュラフも無しでビニールシートにくるまって寝るつもりだった。
ザックも登山用のものではなくナップサック程度の物であった。
目的地までの途中は林道がゲートでふさがれており、歩いて目的地を目指す。真っ暗いうちから歩き始める。暗闇ではモモンガを見たりした。明るくなってから山蛭が林道に無数に居るのに気が付いた。三人で河原へ走り、素っ裸になってヒルが付いていないかチェックした。
未知なる出来事が次から次と訪れる。当然魚の期待も膨らむのであった。
目的の逆河内が近くなった辺りから竿を出し始めた。魚の当たりもないまま逆河内へ到着した。空模様は今にも泣き出しそうだった。
逆河内出会い付近で二人の釣り人と遭遇した。静岡の釣り人で、この辺には度々訪れるらしかった。

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二人が腰から下げていた水窪の鉈。鉈と鋸二挺用の鞘と、別売りで買った鉈のみの鞘。

これから天気が崩れるため慣れない場所であれば、無理せずにこの辺で釣りをしたほうが良いとアドバイスしてくれた。
自分たちが泊まることを伝えると、今晩は雨が降るであろうから河原に寝るのは危険だからやめろと言う。自分たちは車二台で近くまで来ているので、夕方ここで待っていれば一緒に泊めてくれるという。
この川で雨が降ったらどうなるか事の重大さも判らなかったが、この二人の話を聴いてなにやらただならぬものを感じた。
夕方が近づいた頃雨が降り始めてきた。心配になってきた頃、先程の二人が戻ってきた。薄暗くなった急な斜面を二人に続いて上がると林道に出た。
二人は良い型のアマゴを30匹ほど釣ってきていた。
ガスコンロでアマゴ雑炊を作ってくれたのだが、雨で濡れ冷え切った体に温もりが染み渡る。ありがたく生き返ったような気がした。
その夜は一晩中雨が降り続いていた。

翌日は増水で釣りにならなかったので車で送って頂いた。
この辺はすぐに増水するため鉈と鋸は欠かせないと言う。
増水すれば川を渡れなくなるので、立木を切って橋を造るという。
一刻を争うため、木を早く切れる鋸のほうが良いということだった。
二人共腰には鋸と鉈のセットになった物を下げていた。

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確かに二人に会わなければ僕たち三人は一体どうなっていたのであろう。増水した流れを渡渉出来ずに流されていたかもしれない。
この一件でその鉈と鋸を準備しようという気になったボクは、その鉈の入手方法を伺った。
水窪町で売っているという。欲しかったら買って送ってくれると仰ってくれたので渡りに舟とばかりにお願いした。
さすが遠州森の石松の国の人たちである。何から何まで本当にお世話になった。

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一週間ほどして、遠州水窪の鉈が届いた。
お世話になったお礼にボクは、銀座菊秀で売っていた青紙二号という高級鋼を使って作られた肥後の守をお二人に贈ったのであった。

この鉈は普段から車に積んである。
切れ味も良く、購入当初は魚を捌くのにも使っていた。
刃の長さは六寸なのだが、適度な重みで枝払いにも問題なく使える。
今年の春先の事だが、残雪の残る林道を倒木が何本も倒れていた。この鉈と鋸で木を切り上流へ一番乗りできた。持ってて良かったと思う瞬間である。苦労した結果は、満足できる釣果に恵まれたのであった。

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約20分で開通。釣りの前のウォーミングアップにしてはハードだった。



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